この記事はこんな方におすすめ
- マッチプレー競技中の心理状態を知りたい方
- マッチプレーになると実力を発揮できなくなってしまう方
世間にはクラブチャンピオンになるために、技術の向上を目指した記事はたくさんあります。
しかし競技ゴルフでプレーしているときの心理状態を紹介している記事はあまりありませんね。
確かに技術は必要ですが、ゴルフは心理面もとても大切なスポーツです。
私が初めてクラブチャンピオンになったのは17歳で、以降3回優勝しています。
最初のときは人生で初めてクラブ選手権に出場して、そのまま優勝してしまいました。
17歳のときにクラブチャンピオンになり、医学部在学中にスクラッチプレーヤーになった筆者が、
クラブ選手権で初優勝したときの
マッチプレーに勝てる心理状態を紹介したいと思います。
目次
クラブチャンピオンとは?
クラブチャンピオンとはゴルフコースの中で行われる
「クラブ選手権」という年に1回行われる競技で優勝した人のことを指します。
この競技はハンディキャップなしで戦うスクラッチ競技になります。
つまりハンデ10の人も、ハンデ5の人もハンデ0の人も実際に打ったスコアで競うのです。
これで優勝した人が「そのゴルフコースの会員の中でその年で一番上手い人」の称号であるクラブチャンピオン(略して「クラチャン」)と呼ばれるのです。
クラブ選手権の醍醐味はマッチプレー
クラブ選手権の競技様式はコースによって異なります。
何日もかけて何ラウンドもした合計のスコアで競う場合もありますが
最も多いのはマッチプレーでしょう。
マッチプレーはホールごとに勝敗を決定し、その勝った回数が多い人が勝者となる競技形式です。
予選をくぐり抜け、
何日も1対1のマッチプレーでの対決を制して1回も負けなかった人が「クラチャン」なのです。
クラブ選手権の予選のときの心境については
こちらの記事で紹介しています。
マッチプレーとは
クラブ選手権での主な競技形式は
「マッチプレー」という形式をとっています。
マッチプレーでは、ホールごとに勝敗を決定し、その勝ったホール数が多い人が勝者となる競技形式です
勝ったホール個数が増えていくと、
最終的に残りホールで挽回できなくなる状態になりますが、この時点で勝敗が決まります。
例えば、残り3ホールしか残っていないのに
4ホール多く勝っている場合(「4UP」といいます)、
その人の勝ちとなります。
そのため18ホールのマッチプレーの場合、
どちらかが勝ち続けると、最短で10ホールで勝敗がついてしまうことがあります。
マッチプレーのメリット
クラブ選手権のマッチプレーではハンデ10でもハンデ0でも同じ土俵で戦うことになります。
しかしマッチプレーの「ホールごとに勝敗が決まる」ということがとても重要なポイントになってきます。
マッチプレーでは大叩きしても取り返せる
「ホールごとに勝敗が決まる」ということは
どんなにそのホールのスコアが悪くても1ホール分の負けですむのです。
OBを3発やってしまえば、ストロークプレーの場合は挽回がとても大変です。
しかし、マッチプレーの場合では1ホールの負けですむので、
次のホールで1打でも勝てれば挽回できてしまうのです。
多くのホールで安定していれば、
大叩きしてしまうホールいくつかあっても勝ててしまうのがマッチプレーなのです。
クラブ選手権 初日は2ラウンド
予選を通過したらいよいよマッチプレーが始まります。
マッチプレー初日は1回戦と2回戦を両方行います。
そのためこの日は2ラウンドもしなくてはなりません。
36ホール歩きでのプレーはタフなので、体力はもちろんですが長時間途切れない集中力が必要になります。
2ラウンドの競技では一般の組をパスする
さて、1日で2ラウンドのラウンドとなると、
普通にプレーしていたらかなり遅い時間になってしまいます。
そこでクラブ選手権の組は前の組に追いついたら「パス」する制度があります。
つまり前の組を追い抜けるのです。
これはティーグラウンドだけでなく、セカンド地点でも追い越していきます。
このクラチャン以外ではなかなかこういった機会はありません。
譲っていただいてありがたいんですが、
一つ問題が発生します。「ギャラリー」が生まれるのです。
ギャラリーの存在
プロのゴルフ競技ではギャラリーがぐるっとホールの周りを囲んでいます。
しかしアマチュアの競技では普通のラウンドと変わらず本来ギャラリーなどいるはずがありません。
しかし、前の組に追いつくとクラチャンの競技中は「見られる側」になってしまうのです。
ラウンド中に同じ組の人以外から見られる機会はあまり多くありません。
前の組が詰まってティーグラウンドに何組も待っているとかはありますが、
そんなときとは比べるべくもなく
「クラチャンの組」=「ゴルフのうまい人達」として見られるのです。
「クラチャンの組が来たな!先行かせてやるか。どれどれどんなショット打つのかな…」
と。
自分は普段どおりプレーしようと思っているのですが、やっぱり気が散ります。
「ミスショットしたらカッコ悪いな…」
「球曲げるところ見られたくないな」
など
普段から自分のプレーに自然に集中できるようにする
そこで自分はできるだけ頭の中を目の前の状況でいっぱいにするように心がけました。
「残り166ヤードで、打ち上げもあるから1番手あげないと。でも風はフォローでスピンがほどけやすいな…」
「セミラフだから問題なくショットできるけど、ちょっと芝湿ってるしフライヤーになるかもしれない…」
「左に池があるからグリーン右側にマージンとってアドレスしよう。」
「ピンは手前で奥から順目賀から奥に行くとまずいぞ。今日はグリーンの速さ11フィートだし…
やっぱり手前にあったほうがチャンスはあるから番手は距離通りにしておこう」
などなど
これはマインドフルなゴルフですね。
マインドフルネスとゴルフの関係はこちらの記事で紹介しています。
そもそも普段ラウンドしているときはこのようなことを考えながらプレーしていますがそれでやっと。
自分の処理能力にギャラリーからどう見られているかを考えられるほど余裕がありません。
こう考え始めたらギャラリーはいてもいなくても関係なくなりましたね。
しっかり自分の状況を考えるようにした分、逆に状況の見落としが減ったように感じました。
ただショットを終えてお礼を言ってあるき始めたときに
「頑張れ!」と声をかけられるとやっぱり嬉しかったですね」
普段からギャラリーの視線に負けないプレーをする
ただ、競技のときにギャラリーがいるから
自分のプレーに集中しようとすると、やっぱり意識してしまってうまくいかないかもしれません。
なので、普段からギャラリーがいるという状況で
自分のプレーに集中する練習をしておくと良いでしょう。
何組か詰まってしまったホールで、別の組が見ているときなどがいいチャンスです。
こういうときにミスショットしてしまう人は多いものです。
『見られている』というプレッシャーに対する対処法を
持っておくのは重要なことだと思います。
最初は1DOWNのほうが気が楽になる
さて、当時の自分はスタートホールでパーを取るのが苦手でした。
なんとなくパーオンできず、寄せきれずで
だいたいボギーになってしまうのです。
しかも私のホームコースはINもOUTもロングホールで始まるので
すごくもったいない…
案の定1回戦もスタートホールはボギーで
いきなり負けて1DOWNになります。
しかし、これで気が楽になるのです。
これは人によるかと思うのですが、
自分としては一旦追いかける立場になった方がペースが掴みやすかったのです。
マッチプレーではある程度レベルの近い人が出場しているので、
1ホールも勝つことができずにマッチプレーが終了することはほぼないと言っていいでしょう。
このまま同じスコアで何ホールかプレーして
どこかでイーブンに戻ったらどうなるでしょうか。
追いついた側と追いつかれた側の心理
残りホールが少なくなった状態で追いついたとします。
数字上はイーブンの状態でやっとはじめの状態に戻ったようにみえます。
しかし、2人の間では心理的に大きな差があるのです。
追いつかれた側は、直前のホールで負けているので、
これ以上負けたくないと思っています。
次のホールも負けるのが怖いのです。
さらにこれまでの1UPを維持するために精神力を使っています。
しかし追いついた側は、すでにマイナスであったところから
イーブンに戻っているので精神的にはプラスな状態です。
さらに後半で負けるほうが、
もうあとがないという恐怖心が出てくるので
後半になればなるほど1ホールの重みが効いてきます。
そのため、
「マッチプレーで負けるなら早めのほうが良い」
自分はこのように考えています。
1DOWNになったときに自分がやるべきことは、
差を広げられないように前向きにプレーするということです。
はじめは追いかける側のほうがペースをつかみやすい気がするので
自然と勝機は見えてきます。
ウイニングパット
「これが入れば勝ち!」というのがウイニングパットです。
自分はこれがめっぽう弱いです。
すでに3UPの状態で16番ホールを迎えると、
ここで引き分けに慣ればこのあと挽回することができなくなるので、
マッチプレーの勝利となります.
自分はこの「引き分けなら勝ち」という状態(ドーミーホール)で1回で勝ち切ることが苦手です。
ウィニングパットで勝ちきれなくても良い!?
しかし、1回で勝ち切ることが苦手でも
これはこれで良いと思っています。
3UPの状態でドーミーホールを迎えると、
相手が勝つには4連勝が必要になるのです。
普通の状態であれば4連敗もするのはかなり実力差がある場合です。
勝ちホールが溜まっていてドーミーホールが続いても、
どこかで引き分ければよいのです。
反対に「1回で勝ちきれなかった」とか、
「どんどん貯金がなくなっていく」と考えるほうが良くないです。
そのホール負けたという事実に加えて
自分で自分を追い込んでしまうことになるからです。
ここまで勝ちホールを積み重ねてきたのですから
これまでどおりのプレーであれば勝てる確率のほうが高いです。
そう信じてプレーしていれば気持ちが楽になり、
実際はサラッと勝ててしまったりします。
勝ち切るにはパットが大切!クラチャンおすすめのパターマットはこちら
勝利確定後の心境
このように見てみると、あまり競技中に
自分の精神状態が乱れることはあまりなかったように思います。
そのため、自分の気持をできるだけ冷静に保っていたおかげか、
勝利しても「ヤッター」とか「勝ったぞ!」とか
そのような感情はあまり湧きませんでした。
なんか勝てちゃった
アマチュアゴルファーでクラチャンを目指すレベルであれば、
これぐらいのあまり気負わない精神状態のほうが良いのかもしれません。
クラブチャンピオンの競技中の心理状態 まとめ
まとめ
- マッチプレーでは大叩きしても取り返せるので、ホールごとに気持ちを切り替える。
- ギャラリーがいても自分のプレーに自然に集中できるようなルーティンを作る
- 普段からギャラリーの視線に負けないプレーをする
- 追いつかれた側のほうが精神的につらいので、はじめは1DOWNのほうが気が楽になる
- ウィニングパットで勝ちきれなくても良いと思うことで自分に負荷をかけずにプレーする
マッチプレー中の心理状態はいかがでしたでしょうか。
最近まるまる1ヶ月間日曜日を開けるのが難しくてクラブ選手権に出場していませんが、
かつての心境を思い返してみるとその時のプレーがありありと目に浮かんできました。
この記事を書いているうちに、また競技ゴルフ始めたいなーと思いました。
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